うつ病などの精神障害の業務による心理的負荷評価表

業務による心理的負荷評価表

文責 社会保険労務士 松井 宝史 2020.07.11

特別な出来事

 

特別な出来事の類型

心理的負荷の総合評価を「強」とするもの

心理的負荷が極度のもの

・ 生死にかかわる、極度の苦痛を伴う、又は永久労働不能となる後遺障害を残す業務上の病気やケガをした
(業務上の傷病により6か月を超えて療養中に症状が急変し極度の苦痛を伴った場合を含む)
・ 業務に関連し、他人を死亡させ、又は生死にかかわる重大なケガを負わせた(故意によるものを除く)
・ 強姦や、本人の意思を抑圧して行われたわいせつ行為などのセクシュアルハラスメントを受けた
・ その他、上記に準ずる程度の心理的負荷が極度と認められるもの

極度の長時間労働

・ 発病直前の1か月におおむね160時間を超えるような、又はこれに満たない期間にこれと同程度の(例えば3週間に おおむね120時間以上の)時間外労働を行った(休憩時間は少ないが手待時間が多い場合等、労働密度が特に低い 場合を除く)

 ※ 「特別な出来事」に該当しない場合には、それぞれの関連項目により評価する。

特別な出来事以外

(総合評価における共通事項)

 1 出来事後の状況の評価に共通の視点   

出来事後の状況として、表に示す「心理的負荷の総合評価の視点」のほか、以下に該当する状況のうち、著しいものは総合評価を強める要素として考慮する。

①仕事の裁量性の欠如(他律性、強制性の存在)。

具体的には、仕事が孤独で単調となった、自分で仕事の順番・やり方を決めることができなくなった、自分の技能や知識を仕事で使うことが要求されなくなった等。

②職場環境の悪化。具体的には、騒音、照明、温度(暑熱・寒冷)、湿度(多湿)、換気、臭気の悪化等。
③職場の支援・協力等(問題への対処等を含む)の欠如。具体的には、仕事のやり方の見直し改善、応援体制の確立、責任の分散等、支援・協力がなされていない等。  

④上記以外の状況であって、出来事に伴って発生したと認められるもの(他の出来事と評価できるものを除く。)

2恒常的長時間労働が認められる場合の総合評価

①具体的出来事の心理的負荷の強度が労働時間を加味せずに「中」程度と評価される場合であって、出来事の後に恒常的な長時間労働(月100時間程度となる時間外労働)が認められる場合には、総合評価は「強」とする。

②具体的出来事の心理的負荷の強度が労働時間を加味せずに「中」程度と評価される場合であって、出来事の前に恒常的な長時間労働(月100時間程度となる時間外労働)が認められ、出来事後すぐに(出来事後おおむね10日以内に)発病に至っている場合、又は、出来事後すぐに発病には至っていないが事後対応に多大な労力を費しその後発病した場合、総合評価は「強」とする。

③具体的出来事の心理的負荷の強度が、労働時間を加味せずに「弱」程度と評価される場合であって、出来事の前及び後にそれぞれ恒常的な長時間労働(月100時間程度となる時間外労働)が認められる場合には、総合評価は「強」とする。

 

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目次

パワーハラスメント

対人関係

セクシュアルハラスメント

事故や災害の体験

パワーハラスメント

具体的出来事

上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた

心理的負荷の強度・・・「Ⅲ」

心理的負荷の総合評価の視点

・ 指導・叱責等の言動に至る 経緯や状況
・ 身体的攻撃、精神的攻撃 等の内容、程度等
・ 反復・継続など執拗性の状況
・ 就業環境を害する程度
・ 会社の対応の有無及び内容、改善の状況

(注)当該出来事の評価対象とならない対人関係のトラブルは、出来事の類型 「対人関係」の各出来事で評価する。

(注)「上司等」には、職務上の地位が上位の者のほか、同僚又は部下であっても、業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、その者の協力が得られなければ業務の円滑な遂行を行うことが困難な場合、同僚又は部下からの集団による行為でこれに抵抗又は拒絶することが困難である場合も含む。

心理的負荷の強度を「弱」「中」「強」と判断する具体例

 

【解説】 上司等による身体的攻撃、精神的攻撃等が「強」の程度に至らない場合、心理的負荷の総合評価の視点を踏まえて「弱」又は「中」と評価

【「弱」になる例】
・上司等による「中」に至らない程度の身体的攻撃、精神的攻撃等が行われた場合

【「中」になる例】
・上司等による次のような身体的攻撃・精神的攻撃が行われ、行為が反復・継続していない場合

▸治療を要さない程度の暴行による身体的攻撃

▸人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない又は業務の目的を逸脱した精神的攻撃

▸必要以上に長時間にわたる叱責、他の労働者の面前における威圧的な叱責など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃

○上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた
【「強」である例】
・上司等から、治療を要する程度の暴行等の身体的攻撃を受けた場合

・上司等から、暴行等の身体的攻撃を執拗に受けた場合

・上司等による次のような精神的攻撃が執拗に行われた場合

▸人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない又は業務の目的を大きく逸脱した精神的攻撃

▸必要以上に長時間にわたる厳しい叱責、他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃

・心理的負荷としては「中」程度の身体的攻撃、精神的攻撃等を受けた場合であって、会社に相談しても適切な対応がなく、改善されなかった場合

 

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対人関係

具体的出来事

同僚等から、暴行又は(ひどい)いじめ・嫌がらせを受けた

心理的負荷の強度・・・「Ⅲ」

心理的負荷の総合評価の視点

・暴行又はいじめ・嫌がらせ内容、程度等

・反復・継続など執拗性の状況

・会社の対応の有無及び内容、改善の状況

心理的負荷の強度を「弱」「中」「強」と判断する具体例

 

【解説】 同僚等による暴行又はいじめ・嫌がらせが「強」の程度に至らない場合、心理的負荷の総合評価の視点を踏まえて「弱」又は「中」と評価

【「弱」になる例】
・同僚等から、「中」に至らない程度の言動を受けた場合

【「中」になる例】
・同僚等から、治療を要さない程度の暴行を受け、行為が反復・継続していない場合

・同僚等から、人格や人間性を否定するような言動を受け、行為が反復・継続していない場合

○ 同僚等から、暴行又はひどいいじめ・嫌がらせを受けた

【「強」である例】

・同僚等から、治療を要する程度の暴行等を受けた場合

・同僚等から、暴行等を執拗に受けた場合

・同僚等から、人格や人間性を否定するような言動を執拗に受けた場合

・心理的負荷としては「中」程度の暴行又はいじめ・嫌がらせを受けた場合であって、会社に相談しても適切な対応がなく、改善されなかった場合

 

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セクシュアルハラスメント

具体的出来事

セクシュアルハラスメントを受けた

心理的負荷の強度・・・「Ⅲ」

心理的負荷の総合評価の視点

・セクシュアルハラスメントの内容、程度等

・その継続する状況

・会社の対応の有無及び内容、改善の状況、職場の人間関係等

心理的負荷の強度を「弱」「中」「強」と判断する具体例

 

【解説】 セクシュアルハラスメントを受けた

【「弱」になる例】
・「〇〇ちゃん」等のセクシュアルハラスメントに当たる発言をされた場合

・職場内に水着姿の女性のポスター等を掲示された場合

【「中」になる例】
・胸や腰等への身体接触を含むセクシュアルハラスメントがあっても、行為が継続しておらず、会社が適切かつ迅速に対応し発病前に解決した場合

・身体接触のない性的な発言のみのセクシュアルハラスメントであって、発言が継続していない場合

・身体接触のない性的な発言のみのセクシュアルハラスメントであって、複数回行われたものの、会社が適切かつ迅速に対応し発病前にそれが終了した場合

【「強」である例】

・胸や腰等への身体接触を含むセクシュアルハラスメントがあって、継続して行なわれた場合

・胸や腰等への身体接触を含むセクシュアルハラスメントがあって、行為は継続していないが、会社に相談しても適切な対応はなく、改善されなかった又は会社の相談等の後に職場の人間関係が悪化した場合

・身体接触のない性的な発言のみのセクシュアルハラスメントであって、発言の中に人格を否定するようなものを含みかつ継続してなされた場合

・身体接触のない性的な発言のみのセクシュアルハラスメントであって、性的な発言が継続してなされ、かつ会社がセクシュアルハラスメントがあると把握していても適切な対応がなく、改善がなされなかった場合

 

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事故や災害の体験

具体的出来事

(重度の)病気やケガをした

心理的負荷の強度・・・「Ⅲ」

心理的負荷の総合評価の視点

・病気やケガの程度

・後遺障害の程度、社会復帰の困難性等

心理的負荷の強度を「弱」「中」「強」と判断する具体例

 

【解説】 (重度の)病気やケガをした

弱、中

【解説】
・下の程度に至らない病気やケガについて、その程度等から「弱」又は「中」と評価

【「強」である例】

・長期間(おおむね2か月以上)の入院を要する、又は労災の障害年金に該当する若しくは原職への復帰ができなくなる後遺障害を残すような業務上の病気やケガをした

・業務上の傷病により6か月を超えて療養中の者について、当該傷病により社会復帰が困難な状況にあった、死の恐怖や強い苦痛が生じた

 

当事務所でも過去にお手伝いしたことがあります。

その方は、下肢の多発骨折で入院6か月以上しました。

時折、事故のことがフラッシュバックしてくるということでPTSDの診断名がおりていました。

 

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